トラストコーチングの門を叩いて10年目になりますが、昨日はプロトレの凄さがどこにあるのか、自分の中で言語化された感覚がありました。
TCSプロフェッショナルコーチトレーニングは実際に参加しているコーチ達自身の「目標に向かい試行錯誤するリアルな姿」が、第1回目の2017年からずっと継続して生きた教材になっています。
本やテキストでは絶対に学べない、まさに生身の人間の行動変容(変わらないも含めて)と葛藤をオンゴーイングで共有し、守秘義務のもと参加者全員で力にする場となっているのです。
コーチはクライアントを目標に向け「意識」を変える対話をするために、本人さえ気づいていない「心の奥底にある本音」を引き出していくのが大事な役割ですが、
その際、重要になるのは「自然体」。
これは本にも書きましたが、トレーナーでもある馬場コーチの凄さのひとつは「究極の自然体」だと感じています。
あれだけの実力と実績を持ちながら「人としての不完全さ」を惜しみなく出してくださるので、いつの間にか「自分を大きく見せよう」という見栄や無意識の上下関係などは勝手に消え去り、フラットな対話になっていく。
自分がどんなに「恥ずかしい」と思うようなことさえも、この場では言ってしまおうかなと思わせる、そんな感覚があります。
ここからは私の考察ですが、
自分の内側の「争いごと」を収束させるとは。
プロコーチの在り方として、「己の争いごとの収束」は不可欠。クライアントの思考の邪魔をしてはいけません。
ただ、争いごとはエネルギーの源でもあるような感覚があり、
争いごと自体がいけないというより、争うべきではないことに貴重な時間とエネルギーを使い続けていることが問題なのかなと。
そのエネルギーには「質」「量」「集中/拡散」などがあって、それらを適切に扱うことがプロコーチとして大事なのだと感じています。
その人の本質を知らなければ辿り着けない正しい場所に着火されるから、自分に逃げない限りはそこで大きくなるエネルギーが的確に本人を前へ進ませる。
プロトレ仲間からよく聞く声で、「馬場コーチからのフィードバック、1年たってようやく理解できた」「2年越しにやっと受け取れた」などがあります。
私自身も時空を超えて受け取れたフィードバックがたくさんあり、それは長期的な関係を前提として関わる覚悟と、信頼関係がないと出来ないこと。
それにしてもプロトレの、あの時が止まったような静寂…
誰もトレーナーに気を遣うことなく、自由に自分との対話に没頭する空間は正直怖すぎます。
それは、まだ私があれほどの覚悟でみんなと向き合えていないから、なのだろうな。
一人ひとりと一生関わっていく覚悟とコーチとしての実力はもちろん、この場づくりができる鍛えられた心があるからこそ、プロコーチ育成が出来るのだろうと感じたのでした。